松下組の人

interview

「私はここにいて
いいんだ」。
そう思える場所に、
やっとたどり着けた。

医療事務、冷凍食品工場、建設会社。3児の母として走りつづけてきた才松美香さんは、経理から総務、そして建設ディレクターへ。職種を変えながら、探してきたのは、自分らしくいられる場所だった。自分のことは、いつも後回し。それでも、現場で出会った仲間とともに、少しずつ取り戻していったものがある。それは、「私はここにいていいんだ」と思える、確かな手ごたえだった。

土木課 建設ディレクター

才松 美香

Mika Saimatsu

出身地
芦北町
入社
2020年

所属や役職は、2026年5月時点のものです。

2020年、29歳のときに松下組に入社しました。それまでは、専門学校を出て医療秘書の資格を取り、地元の個人病院で医療事務を3年。22歳で結婚と長女の出産が重なって、夜10時まで残業のある仕事はもう続けられないなと退職して、その後は芦北町内の冷凍食品工場で5年ほど働いていました。
松下組に入ったきっかけは、母です。母が長く、松下組の不動産部門で事務をしていて。それと、長女が社長のお嬢さんと同じ保育園の同級生だったんですよね。社長の奥さまに、「人が足りていないからうちはどう?」と声をかけてもらって。建設業界はまったくの未経験で、「自分に務まるんだろうか」という大きな不安はありましたけど、思い切って一歩踏み出しました。
最初は、本社で経理担当として働き始めました。でも本当に未経験で、毎日が大変で。自分の知識のなさでがっかりさせてしまうのが、いちばんしんどかったんです。3~4年前には心身を崩してしまって、一時は退職も考えました。そこで会社に相談して、総務へ異動させてもらうことになりました。
転機は、総務時代に現場で開かれたお絵かきイベントでした。手伝いに行って、私が心から楽しんでいる姿を、当時の土木部長(現・太田専務)が見てくださって。「才松さん、こんなに明るい人だったんだ!」って。末っ子の産休に入っていたとき、「あなたはもっと楽しんで仕事をしたほうがいい。それができる人だから、“建設ディレクター”をやってみないか」と声をかけてもらったんです。もちろん不安はありました。でも、「こんな自分でも必要としてくれる人がいる」。そう思ってチャレンジを決めたんです。

「間違わん人はおらんけん」。
その一言が、
私を軽くした。

建設ディレクターになって約2年。3つの現場を、同じ現場監督・倉本さんと一緒に走ってきた。失敗を恐れて自信のなかった彼女のなかに、いつのまにか「やってみたい」が、芽生えていく。「こんなに一人ひとりを大事にしてくれる会社はない」と才松さんは語ってくれた。時折、目に涙を浮かべながら。

ディレクターになりたての頃は、失敗が怖くて、ずっと不安でいっぱいでした。それを軽くしてくれたのが、3つの現場をともにしている倉本課長補佐の言葉です。「間違わん人はおらんけん。失敗から得るものもたくさんあるけん、まずはやってみようか。俺たちがフォローするけん、大丈夫」。その一言で、本当に心がすっと軽くなりました。
それからは、言われた業務をこなすだけじゃなくて、自分から「やってみたい」と言えるようになって。現場事務所の周りに、季節ごとの装飾もするようになりました。クリスマス、ハロウィン、お正月。地域の方に楽しんでもらえるように。ドローンを使った現場撮影も、未経験でしたけど、やってみたら意外にできるじゃん、って(笑)。
建設業の根幹に関わるようになって、「監督ってこんなことまで一人でやっていたのか」と衝撃を受けて。だからこそ、自分がやれることはどんどん引き受けていきたいと思うようになりました。監督や若手技術者の末山くんが、もっと現場に集中できるように。
家庭では「母」、会社では「評価を気にする社員」。誰かのための役割をずっと演じてきた私が、ここでは初めて、“ありのまま”でいられる気がしました。「ありがとう」「助かった」と感謝の言葉をいつも伝えてくれる仲間たちのおかげで、「自分はここにいていいんだ」という確かな手ごたえをもらっています。
会社も、ずっと支えてくれてきました。子どもの急な体調不良で休むときも「大丈夫だよ」と受け入れてくれる雰囲気。心身を崩したときには、社長から「頑張らないことを頑張ろう」と声をかけてもらって、フルタイムから1日4時間勤務へ。そこから5時間、6時間と、私のペースに合わせて段階的にもどしてくださいました。社員一人ひとりに寄り添ってくれる会社のなかで、ずっと閉じていた「自分らしさ」を、少しずつ取り戻してきたんだと思います。本当に、自慢の会社です。

5年後、
なにしてる?

What are you doing
5 years later?

5年後は40歳。子どもたちの成長を見守りながら、家族との時間を大切にしていたいですね。仕事では、現場のことをもっと知って、監督や技術者が本業に集中できるように、できることはどんどん引き受けていきたい。声をかけてくれた会社への恩返しを、ずっと続けていきたいと思っています。

1日のスケジュール

Daily Schedule

朝、子どもたちを送り出してから、現場事務所へ。書類作成、業者さんとのやりとり、ときどき現場の様子をドローンで撮影。お昼休みをはさんで、午後は装飾の準備や、近隣住民の方に配る工事チラシのレイアウトを考えたり。1日が、あっという間に過ぎていきます。

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